食品の栄養素についてのお話

食品の栄養素についてのお話

この情報はコラム執筆、2021年9月時点です
※このコラムは「日本人の食事摂取基準2020年版」のデータを引用しています

皆さんは、普段食事をする際に、「食品の栄養素」についてどれくらい意識をしていますか?
「3大栄養素」と言われる「タンパク質・炭水化物・脂質」については、なんとなくバランスを意識しているという人も多いでしょう。
では、「ビタミンやミネラル」についてはいかがでしょうか。

今回は、厚生労働省によって国民の食事摂取状況から栄養摂取の目安について出されている「日本人の食事摂取基準2020年版」を参考にしながら、普段どのような栄養素が不足し、逆に摂りすぎているのか、どのようにしたら効率よく摂取できるのかについて見ていきましょう。

私たち日本人は、どのような種類の栄養素が不足し、摂りすぎているの?

「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、

国民の栄養摂取の状況からみてその欠乏が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養素

として以下のものが記されています。

・たんぱく質 ・n─6 系脂肪酸、n─3 系脂肪酸 ・炭水化物、食物繊維 ・ビタミン A、ビタミン D、ビタミン E、ビタミン K、ビタミン B1、ビタミン B2、ナイアシン、ビタミン B6、ビタミン B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミン C ・カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン

上記からほとんどのビタミンミネラルをはじめとする栄養素に対し、全体的に不足しているということが分かります。

逆に、

国民の栄養摂取の状況からみてその過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして厚生労働省令で定める栄養素

として以下のものが記されています。

・脂質、飽和脂肪酸、コレステロール ・糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る。)・ナトリウム

また、現代人の健康状態などから見た課題を基に、2020年の食事摂取基準の改訂のポイントとして、「筋肉量・骨量を保つ食事」というテーマが挙げられています。
具体的な施策は以下の通りです。

・全世代への「タンパク質」摂取の基準値の引き上げ
・18歳以上への「ビタミンD」摂取の基準値の引き上げ
・若年層の野菜不足の増加から、3〜5歳の「カリウム」の目標量の設定
・3〜14歳の「飽和脂肪酸」の摂取に対する目標量の設定(過剰を防ぐため)
・全世代への「コレステロール」の目標量の設定(過剰を防ぐため)
・世界と比較して依然として高い「塩分(ナトリウム)量」の削減目標の更なる強化

このことから特に「タンパク質、ビタミンD、カリウム」については不足が目立ち、「飽和脂肪酸、コレステロール、塩分」の摂取については過剰であるということが分かります。

どのようにして不足しがちな栄養素を効率よく食事で摂っていけば良いの?

私たち現代人の食生活において問題視されているのは「新型栄養失調」と呼ばれる「エネルギーは摂れていても、必要な栄養素が不足している」という状態です。
これを回避していくためには、次のようなことを意識し、取り組んでいくことが大切です。

 崋膺・主菜・副菜」を組み合わせて摂ることを意識する

「主食・主菜・副菜」を毎食組み合わせて摂ると、自然と栄養バランスは整いやすくなります。
主菜には、「肉・魚・豆製品・卵」を。副菜には「野菜・きのこ類・海藻類」をできるだけ組み合わせるようにしましょう。
また、この3つに加えて、不足している食品を味噌汁やスープなどに入れて作ることで、さらに栄養バランスを整えることができます。
例えば、昼食を作る時間がなく、コンビニで済ませるといった場合でも、「おにぎり1つ・わかめときのこの味噌汁・豚しゃぶサラダ・茹で卵」などにするとしっかりバランスを整えることができます。

◆屮織鵐僖質」は2種類以上のものから摂る

食事摂取基準においても全世代で不足が指摘されている「タンパク質」。肉類だと牛・豚・鶏の3種類がメインですが、部位によっても全く栄養は異なります。他に、青魚や白身魚、エビやたこなどの魚介類、卵、豆腐や納豆、枝豆を含む豆製品などがあります。
実は、タンパク質を多く含む食材を2つ以上組み合わせることで、多くのビタミンやミネラルを摂取することができます。
例えば、豚レバーには不足しがちな鉄分、ビタミンBなどが非常に豊富ですし、豆製品にはマグネシウム、カルシウムなど不足しがちなミネラルもバランスよく含まれます。
ですので、その日のメニューを決めるときは、まず「タンパク質は何を組み合わせるか」ということを意識すると良いでしょう。

「食べ合わせ」を意識する

「食べ合わせ」とは2つ以上の食材を組み合わせる際の相互作用のことを指します。一緒に摂ることでより栄養素の吸収を高める食べ合わせ、逆に栄養素の吸収を阻害する食べ合わせもあります。
例えば、いくら「カルシウム」をとっても、「マグネシウム」と併せて取らないとなかなか吸収されませんし、「ビタミンD」を一緒に摂ることで、吸収率を高めることができます。
また、緑黄色野菜などに豊富な「脂溶性ビタミン」と呼ばれる「ビタミンA、D、E、K」は脂溶性とあるように、油と一緒に取らないとあまり吸収されません。
さらには、健康に良いとされる食物繊維をそればかりを食べることでミネラルの吸収を阻害してしまう場合などもあるため、玄米+大量のお野菜を摂るというのも実は栄養の吸収には非効率であったりもするのです。

ぜ分の「食べ癖」を見つけ、不足しがちなものを補うよう意識する

・いつも同じメニューのルーティンになっている
・お肉はヘルシーな「鶏肉」だけにしている
・間食で甘いものやスナック菓子を頻繁に食べる
・おかずはレトルト食品やお惣菜で済ませることが多い

あなたの食事で、このようなこと思い当たりませんか?メニューが偏っていたり、ヘルシーだからなどの理由で同じようなものに偏った食事をしていると、栄養の偏りも生じます。また、間食やレトルト食品が多いことで、「摂りすぎ」が指摘されている飽和脂肪酸やコレステロール、糖質、塩分過剰になり、せっかく摂取したビタミンやミネラルも無駄に消耗されてしまい、結果として栄養不足になりやすくなってしまいます。
そんな時は、レトルト食品なども上手に活用すると良いでしょう。例えば、即席の味噌汁に自分でわかめや豆腐、冷蔵庫に余った野菜を取り入れたり、レトルトカレーに冷凍のブロッコリーやきのこ類、ミックスビーンズなどをプラスすることで、栄養バランスは整いやすくなります。

ツ夏盍超を整える

特に近年注目されている「腸内環境を整える」ということ。なぜそんなに重要視されているのでしょうか。
それは、全ての栄養素は腸から吸収され、全身に栄養を行き渡らせる源だからなのです。
例えば、いくらしっかり栄養をとっていても腸内環境が乱れていると、うまく栄養が吸収されず、食べたものが「未消化」の状態となり、逆に不調も招いてしまうこともあるのです。

「栄養素が添加された食品」について 

皆さんは、栄養素が添加された食品を見たことがありますか?
例えば「カルシウム入り」や「鉄分配合」なんてパッケージはよく見かけます。
このような栄養素の添加は、国民の栄養調査などによって得られたデータをもとに、私たち現代人の食生活で不足が疑われるビタミンやミネラルに対して行われています。
これらは私たち国民の栄養素の不足を防ぐための国の「公衆衛生」に対する対策です。
しかし、漠然と栄養素が添加されたものを使用するのではなく、まずは自分に足りない栄養素を認識した上で、うまく活用していくことが大切だと言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

私たち現代人は、食生活の多様化やストレスなどにより、「エネルギーは摂れていても、必要な 栄養素が不足している」そんな現状があるということなのですね。
今回の内容が、皆様の生活に少しでもお役に立てれば幸いです。

また次回のコラムでお会いしましょう!

〈執筆者〉
管理栄養士 境ありさ
〈プロフィール〉
管理栄養士として小学校での給食管理を経験した後、海外留学などを経てクリニックでの栄養指導を経験し、「分子栄養学カウンセラー」としての資格を取得。
現在は、フリーランスとして栄養相談や記事執筆、ファスティングカウンセラーなどの活動を行っている。

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